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SLIP ON コートについて


素材も型紙もサイズも中の芯地に至るまで、25年前から何ら変わっていない。

デザインした当初はベーシックなステンカラーコートの拘りノウハウをこの新型に落とし込んだ。「男のコート姿は後ろ姿に色気がある」が持論で、特に裾が歩くたびに揺れることに粋さを感じる。この部分の芯地が重要で理想の芯地を使っている。コートの襟の型紙は外回りのバランスが重要で、地衿は1?控えてある。地衿芯は以前は、エラス芯と言ってテーラードと同じホルマリンで加工されたジュート麻をバイヤスにカットして使っていたが、現在このエラス芯が劇薬指定で使えなくなり、にかよりになった。

コートづくりのノウハウはデザイナーになる以前、生産の経験によるところが大きい。

勿論Aラインのシルエットと絶妙な着丈のバランスがこのコートの真骨頂。コートは他のアイテムと違い、打ち合わせが深くボタンが奥に付いている、台衿付きなので第一ボタンにかけて微妙にカーブしている。これは服の基本を熟知している証拠。

雨ブタのフラップ(ガンパッチでなはない)や雲型フラップ、背のヨークなどは古い英国のトレンチコートのデザイン。1枚袖ラグランはナチュラルショルダーを標榜するデザイナー三浦の拘りでもあり、研究されつくしている。

素材は、イタリアのコート素材の老舗Olmetex社のバーバリーに拘り、同じQualityを当初から使い続けている。使うほどに風合も良くなり経年変化を楽しめる素材です。この会社は環境にも関心が深く、数年前には撥水加工の溶剤を環境負荷の高かったデュポン社製を止め、他社に切り替えました。撥水効果の劣化は少なく、少々の雨もはじき快適です。

昔は、レインコートの老舗B社も使っていましたが今は高価で使えません。あれだけ打ち込みのいいバーバリーはOlmetex社だけ。

数年前、このOlmetex社とデザイナー三浦のコラボした素材がパリのプルミエール・ヴィジョンで発表されたことがある。長年築き上げられた信頼関係もあり、バーバリーの別注色でオリーブやラズベリーレッドをオリジナルで作って好評だった。

縫製工場は、元々B社のバーバリーのコートを縫っていた工場で、近年最高のコートが仕上がった。工場泣かせの目の詰まったバーバリーで縫いづらく、ライナー付きでパーツも多く嫌がられる要素いっぱい。年々国内の縫製も難しくなる中、貴重な工場でマスターピースは作り続けています。